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2024年度【上期】AMED創薬ブースター説明会申込

Translational and Regulatory Sciences

TRSに掲載された国内向け研究論文(日本語論文)について

AMED感染症創薬産学官連絡会 | AMED Public and Private Partnerships for Infectious Diseases R&D

コラム

日本QA研究会とアカデミア

日本QA研究会の紹介をし、アカデミアの方々に親近感を持って頂き、交流促進につなげたいと思います。

まず、本会の名称のQAとは何かと言うことです。
QAとは「Quality Assurance」(信頼性保証)の意です。医薬品などは有効性、安全性を評価した上で国の承認をうけ、一定の品質を維持しながら製造されたものが医療現場などで使用されますが、これらの一連の作業には試験データや製品の品質(信頼性)を保証するようGXP(適正規範)という規則が法的に定められており、そのGXPが適正に遵守されたことを最終的に確認する業務がQAで、本会は、QA業務を担当する者の集団と言うことです。

医薬品での法整備を歴史的にみると、GMP(製造)が最初に作成され、GLP(安全性非臨床試験)が続き、GCP(臨床試験)、そしてGQP(品質情報)、GVP(安全性情報)、GPSP(製販後調査)が制定されました。また、医薬品以外にも同じ薬機法の規制対象の医療機器、化粧品などや農薬取締法の対象の農薬、化審法の対象の化学物質などでも同様な適正規範があり、これらのQAも本会の守備範囲です。

運営ですが、本会は、GLP部会、GCP部会、製販後部会の3部で構成され、2年間の期間(現在の15期は今年度末まで)を区切って部会内あるいは全体共通のいくつかのテーマを設定してチームを形成し、会員は希望するチームに所属して活動します。その成果は期末にまとめ、全体で発表会を行い、文書にまとめて研究会内に集積しています。運営方針は総会で決定し、具体的な運営は理事会で議論しながら行っています。

本会の活動の特徴としては次の4点が挙げられます。

  1. QAという職業人が対象品目、対象分野、業態を問わず参加できますので、企業の壁や業態の壁を超えた環境で、QAとしての倫理や知識を共有したり、アップデートしたりすることができます。
  2. QAは、単に最終的なデータや製品の品質をチェックしているだけではなく、試験や製造の最初から最後までを監視して、品質維持の観点から必要な場合は作業内容の改善助言まで行う立場ですので、GXPの周知のための社員や関係者の研修に関わったり、新しい技術の導入には信頼性確保の観点からの検討なども行います。このため、GXPの研修資材の作成、法規制から科学技術までの幅広い情報の習得など多種多様な研究内容になっています。
  3. QAと規制当局とは実施された試験や製造に関してチェックをするという立場は同じですから、同じような判断基準を持っている必要があります。このため、規制当局(厚労省、農水省)との意見交換は頻繁に実施しています。
  4. GXPは国際的な規制です。このため、米国や英国のQA団体(これらはグローバル展開しています。)の毎年度の年会にはそれぞれの部会から会員を派遣して情報収集や日本国内の状況の発表につとめ、また、3年毎に日米英のQA団体が持ち回りで国際大会を実施しています。(昨年は日本が主催国となり仙台で年会を開催しました。)アジア諸国のQA団体ともアジアフォーラムを2年毎に実施するなど、国際的な活動も積極的に行っています。

本会の活動は、本来、企業活動の中のQAに焦点を当てているので、会員は企業単位で入会しています。個人会員での参加は長年本会の活動に参加していた人が退職などの後も継続する場合などに限定していました。しかし、近年は、GCPを適用する治験の実施機関に医療機関が入り、治験事務局の設立など医療機関でのGCP活動が活発になり、さらに医師主導治験の実施、基礎研究の成果を実用化する機運のたかまり、臨床研究がGCP並みの信頼性確保を志向するようになってきたことなどから、アカデミアと本会との関連が濃厚になってきています。このような環境の変化の中で、アカデミアの方々で本会の活動に参加したいと希望される場合は、個人会員として認めるようになっています。

最後に、アカデミアと関連する本会の活動例を紹介しましょう。

  1. 学会に積極的に参加し、セミナーの開催や成果の発表等を行っています。
    GLP部会が「毒性学会」で、GCP部会が「CRCと臨床試験のあり方を考える会議」で本会提供のセミナーを実施したり、成果をポスター発表したりしています。
  2. 治験実施機関での関係者の教育に使用する教育資材を作成し提供しています。
  3. 医療機関における治験実施で発生する問題の対応を検討しています。
  4. 臨床研究法による臨床試験を実行する場合の監査方法について資材を提供しています。
  5. 研究不正に関し、科学研究の信頼性確保の方策を検討し、大学などに提供しています。
  6. 大学の専門家を招聘して講演を実施しています。
    定時総会での特別講演、QAの国際学会での基調講演などに専門家を招聘しました。

 本会の活動に興味のある方は是非とも本会のHP(https://www.jsqa.com/)を覗いてください。学会の展示ブースで見かけた場合は是非とも立ち寄ってください。そして、一緒に活動したいと思う方は事務局までご一報下さい。

2021年6月

一般社団法人 日本QA研究会
会長 平山 佳伸

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