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ガイドライン

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)診療ガイドライン(案)

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)診療ガイドラインの作成にあたって

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の患者数は全国で150人程度、年間の新たな発症者数は5-10例とされています。非常にまれな疾患でありますが、予後は極めて不良で、診断確定後数年で機能廃絶あるいは死に至る難病です。厚生労働省 難治性疾患克服研究班の一つ「プリオン病及び遅発性ウイルス感染に関する調査研究」班にはSSPEの病態解明と治療法の確立を目指すSSPE分科会があります。研究班のこれまでの研究成果がSSPEの診療に少しでも役立つように、SSPEの診断、治療、家族支援のための総合的ガイドラインを作成することに致しました。SSPEはまれな疾患であるため、治療法についてはまだ症例数が少なく、有効性が充分に検証されたとは言えません。しかし、最近のインターフェロンやリバビリンによる治療により、臨床症状が改善する例、進行が止まる例、進行が遅くなる例が見られるようになったのは事実です。早期に確定診断し、治療を開始することが予後の改善につながる可能性があります。SSPEをより早く診断し、早急に治療を開始し、出来る限り質の高い生活を送れるようにするのが、研究班の願いです。
このガイドラインは、まだ不完全です。内容につきまして、皆様の忌憚のないご意見をいただければ幸いです。また、疑わしい症例の診断や治療法に関しましては、SSPE分科会にご相談下さい。

プリオン病及び遅発性ウイルス感染に関する調査研究班
主任研究者 水澤英洋(東京医科歯科大学大学院 神経内科)
SSPE分科会
分担研究者 細矢光亮(福島県立医科大学 小児科)
二瓶健次(社会福祉法人横浜共生会 横浜らいず)
堀田 博(神戸大学大学院 ウイルス学)
市山高志(山口大学医学部 小児科)
網 康至(国立感染症研究所 動物管理室村山分室)
研究協力者 野村恵子(熊本大学医学部 発達小児科)
楠原浩一(九州大学大学院 小児科)
大塚頌子(岡山大学大学院 小児神経科)
飯沼一宇(石巻赤十字病院 院長)
高須俊明(医療法人崇徳会長岡西病院 神経内科)
SSPE青空の会
代表 中村 一

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A 亜急性硬化性全脳炎(SSPE)とは

亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis) は、その頭文字をとってSSPEともいわれています。麻疹(はしか)に感染してから、数年の潜伏期間の後に発病し、発病後は数月から数年の経過(亜急性)で神経症状が進行します。治療法は確立されておらず、現在でも予後が悪い病気です。
通常のウイルス感染が数日から数週の間に発症するのに対し、このように潜伏期間が数年と長く、ゆっくりと進行するウイルス感染を遅発性ウイルス感染と呼んでいます。SSPEはその代表的な病気の一つです。

1)疫学

発症率は麻疹に罹患した人の数万人に1人です。現在、国内に150人くらいとされています。年間発症数は、以前は10-15人くらいでしたが、麻疹ワクチンの普及後は減少し、最近では年間5-10人です。麻疹ワクチンを接種しており、麻疹に罹患していないのにSSPEが発症したという例は極めてまれであり、その発症に麻疹ワクチンが関連しているという証拠はいまのところありません。
麻疹罹患によってSSPEが発症する場合、1歳未満に麻疹に罹患した場合や免疫機能が低下している状態(ステロイドホルモン、免疫抑制剤、抗がん剤などを長期に使用しているような状態)で麻疹に罹患した場合の発症が多いのが特徴です。男女比は2:1くらいでやや男児に多いとされています。SSPEを発症する好発年齢は学童期で、全体の80%を占めています。
世界的なSSPEの発症について見ますと、麻疹ワクチンの普及が徹底している欧米諸国では自然麻疹が少なくなっていますので、SSPEは殆ど見られなくなっています。ワクチン接種率の低い国では麻疹の流行が見られていますので、SSPEが発症しています。
発症の予防には、麻疹にかからないこと、すなわち麻疹ワクチン接種が最も重要なことです。日本の麻疹ワクチン接種率は欧米に比べて低いので、ワクチンを徹底することが急務です。

2)臨床症状

初発症状としては、学校の成績低下、記憶力の低下、いつもと違った行動、感情不安定といった精神的な症状や、歩行が下手になった、もっているものを落とす、字が下手になった、体ががくんとなる発作(失立発作)などの運動性の症状などで気がつかれることが多いです。このような症状から、初期では心因反応、精神病、てんかん、脳腫瘍などと診断をされることが多いようです。
発症後は比較的類型的な経過をとる傾向があり、通常、4つのステージに分けられています。第Ⅰ期は先にあげたような軽度の知的障害、性格変化、脱力発作、歩行異常などの症状が見られます。第Ⅱ期は、四肢が周期的にびくびくと動く不随意運動(ミオクローヌス)が見られるようになるのが特徴的です。そして知的障害も次第に進行し、歩行障害など運動障害も著明になってきます。第Ⅲ期では、知能、運動の障害はさらに進行して、歩行は不可能となり、食事の摂取も次第にできなくなってきます。ミオクローヌスも強くなってきます。この時期には体温の不規則な上昇、唾液分泌の亢進、発汗異常などの自律神経の症状が見られるようになります。また、四肢の筋肉の緊張の亢進が見られるようになります。第Ⅳ期では意識は消失し、全身の筋肉の緊張は著明に亢進し、ミオクローヌスも消失し、自発運動もなくなります。
全経過は通常数年ですが、3-4ヶ月で4期にいたる急性型(約10%)、数年以上の経過を示す慢性型(約10%)が見られる。最近の治療により、改善を示す例、進行が遅くなる例、進行が止まるような例が見られるようになっています。したがって、早期に確定診断し、治療を開始することが予後の改善につながる可能性があります。

3)臨床検査所見

診断に必要な特徴的な検査所見として

①血清の麻疹抗体価の上昇: 採血をして血液中の麻疹抗体を測定することにより、抗体の値が著しく上昇しています(最近のSSPEではあまり抗体価が高くない例もあります)。
②髄液麻疹抗体価の上昇: 髄腔内穿刺により髄液を採取し、髄液の麻疹抗体価の測定を行います。抗体が証明されれば診断的意義は高いとされます。
③髄液IgGの上昇: 髄液中の免疫グロブリンの中のIgGの値が高いことも診断的意義があります。とくに髄液IgGインデックスの上昇(髄液の蛋白量に比べて特異的にIgGが高くなる)が重要です
④脳波検査 とくにⅡ期からⅢ期にかけて周期性の高圧徐波結合が認められることが特徴的です(図)。

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B 診断

血清および髄液中麻疹抗体価の上昇があれば確定診断できます。脳波上の周期性同期性高振幅徐波結合(図)、髄液IgG、IgG indexの上昇も参考所見となります。頭部画像検査(CT、MRI)では、白質病変、脳萎縮が臨床経過の進行に従って増悪します。白質病変は頭頂葉、後頭葉から認められることが多く、MRIがCTより早期に異常を検出します。


図.Jabbour II期のSSPE患児の脳波
周期性同期性高振幅徐波結合を認める。

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c 治療

1)イノシンプラノベクス(イソプリノシン)

イノシンプラノベクスは抗ウイルス作用と免疫賦活作用を合わせ持つ薬剤です。一般には50~100mg/kgを分3または分4で経口投与します。これにより、SSPE患者の生存期間を延長するとされています。本剤はイノシンから尿酸に代謝される結果,血中及び尿中の尿酸値の上昇(18.8%)が見られることがあります。その他の副作用としては、AST(GOT)・ALT(GPT)上昇等の肝機能異常(10.4%),赤血球増加(2.0%),血小板増加(2.0%),消化管出血(2.0%),尿路結石(1.5%),白血球減少(1.5%)などがみられます。保険適応があります。

2)インターフェロン

インターフェロンはウイルス増殖阻害作用を持つ薬剤です。イノシンプラノベクスとの併用により、有効であったとする報告が多くみられます。100~300万単位を週1~3回、髄腔内あるいは脳室内に投与します。副作用としては、発熱がほぼ全例でみられる他、頻度は低いですがアレルギーを起こす症例もみられています。その他、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感、食思不振、意欲低下、白血球減少、血小板減少、甲状腺機能異常、耐糖能異常、間質性肺炎、不眠、うつ状態、網膜症、脱毛、皮膚掻痒、皮疹、一過性の低血圧、頻脈、上室性期外収縮、心筋炎等が報告されています。保険適応のある治療法です。現在は、イノシンプラノベクス経口投与とインターフェロン脳室内投与を併用するのが一般的ですが、一時的に病勢を抑えることはあっても、長期予後から見ると進行を阻止した例は稀であり、治療効果としては不十分と考えられます。

3)リバビリン脳室内投与療法

リバビリンは、広い抗ウイルススペクトルを有する薬剤ですが、とくにRNAウイルスに対しては優れた抗ウイルス効果があります。組織培養やハムスターのSSPEモデルを用いた基礎研究より、リバビリンがSSPEウイルスの増殖を50%に抑制する濃度は5-10μg/ml、完全に抑制する濃度は50-200μg/mlと求められています。しかし、250μg/ml以上の高濃度が持続した場合には毒性が出現する恐れがあります。
リバビリンを脳室内に直接投与する「リバビリン脳室内投与療法」では、髄液中リバビリン濃度はウイルスの増殖を完全に抑制する濃度(50-200μg/ml)に達し、重篤な副反応は認めず、少数例ではありますが臨床的有効性が報告されています。これまでのところ、病期の比較的早い時期(JabbourのII期)にリバビリン治療が開始された場合は、臨床症状に明らかな改善が認められる症例が多いようです。他方、病期の進んだ症例(JabbourのIII期)では、痙攣や強直の軽減などの軽微な改善や、髄液麻疹抗体価の低下を認めますが、病期が改善する程の効果はないようです。すなわち、リバビリンはウイルスの増殖を抑制し、病状の進行を抑える薬剤であり、一旦進行してしまった神経障害を改善するものではありません。
リバビリンは現在のところSSPEに対する保険適用はなく、本療法は未だ研究的治療法です。したがって、まず所属施設の倫理委員会の承認を得て、家族に十分な説明を行った上で承諾を得なければなりません。また、治療期間中は、髄液リバビリン濃度をモニタリングし、副作用の発現を厳重に監視するなど、さまざまな制約がありますので、リバビリン療法の実施に当たっては、下記のSSPE治療研究グループ事務局*に連絡ください。

*SSPE治療研究グループ事務局: 福島県立医科大学小児科 細矢光亮
(Tel:024-547-1295、Fax:024-548-6578)

4. 対症療法

病期と症状に応じて適宜以下の様な対症療法を行う必要があります。

  1. ミオクローヌスのコントロール
  2. 理学療法
  3. 排便のコントロール
  4. 経鼻経管栄養、胃瘻
  5. 気管切開、酸素投与、人工呼吸器管理
  6. 介助導尿、膀胱瘻
  7. 血圧のコントロール

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d SSPEの発症機序

SSPEは、麻疹罹患時に体内に入り込んだ麻疹ウイルス(MV)が、免疫系の監視システムから逃れて中枢神経系に持続感染することによっておこる遅発性中枢神経感染症です。SSPEの発症メカニズムはまだ正確には判っていないが、発症に関与する要因としてウイルス側のものと宿主側のものが考えられています。

1)ウイルス側の要因

SSPEは麻疹ウイルスの変異株(SSPEウイルスともよばれる)が中枢神経細胞に持続感染することによっておこります。変異のない野生型の麻疹ウイルスは、麻疹(はしか)の原因ウイルスであり、全身のリンパ球、樹状細胞、マクロファージ等に感染して、発熱、粘膜カタル症状、皮膚の発疹を主徴とする急性感染症をおこします。麻疹に罹患すると、通常、発症後10日~2週間の経過で治癒し、その後、終生免疫となります。しかし、麻疹罹患中は宿主の免疫機能が著しく抑制されることが知られており、治癒後もウイルスは微量ながら長期間体内に存続することもあります。そして、麻疹罹患後平均7年の潜伏期を経て、数万人に一人の割合でSSPEが発症します。ウイルスが宿主の免疫から逃れて体内のどの部位に潜伏し、どのようにして中枢神経に到達するかについては、よくわかっていません。また、野生型の麻疹ウイルスは8種類(A~H)の遺伝子型に分けられ、それらはさらに細かく分類されます(例えばD1~D9等)が、SSPEをおこしやすい特定のウイルス遺伝子型やウイルス株があるか否か不明です。一方、麻疹は弱毒生ワクチンで予防でき、SSPEの発症も予防できます。生ワクチンによるSSPE発症の危険性は皆無ではありませんが、麻疹ウイルス流行株に比べるとSSPE発症率は1/10以下です。なお、SSPE発症には、ウイルス側の要因以外に、免疫低下状態を含めた宿主側の要因も重要です(後述)。
SSPEウイルスは、野生型の麻疹ウイルスと比べると、多くの変異を有しています。なかでも、ウイルス粒子の形成と細胞からの遊離に重要なMタンパク質をコードするM遺伝子に特有の変異が生じています。なぜSSPEウイルスではMタンパク質に変異が生じるのか、その理由は不明ですが、結果として、Mタンパク質機能の欠失のため、SSPEウイルスは感染性ウイルス粒子を産生できません。それを代償するように、エンベロープ融合に関与するFタンパク質にも変異がみられ、一般に、SSPEウイルスではFタンパク質の膜融合能が亢進しています。さらに、SSPEウイルスでは神経親和性が亢進してます。この神経親和性の亢進には上記以外の複数のウイルス遺伝子変異が関与していると考えられるが、詳細は不明です。

2)宿主側の要因

SSPEの発症に宿主側の要因が関与していると考えられている理由として、まず、2歳未満で麻疹に罹患した場合にSSPEの発症リスクが高くなることが挙げられます。これは免疫系や中枢神経系がまだ十分発達していない幼少期にMVの初感染を受けるとMVの脳内での持続感染がおこりやすくなるためと考えられています。また、SSPEの発症が男児に多いこと(1.8~3:1)や、稀であるが自然緩解例があること、治療薬として免疫調節物質が有効な場合があること、などもSSPEの発症に宿主側の要因が関係していることを示すデータです。SSPE患者の免疫能については、これまで種々の研究が行われている。SSPE患者では血液や脳脊髄液中のMV抗体価が高いことが以前からよく知られており、SSPEの診断基準の一つにもなっています。また、SSPE患者では麻疹に罹患してから長期間経過しているにもかかわらず中枢神経系だけでなく末梢血白血球にもMVが存在していることが報告されている。さらに、SSPE患者の中には、末梢血白血球をいくつかのウイルスで刺激した場合、MVに対してのみインターフェロンγ産生能が低下している例があることも明らかになっています。このようにSSPE患者ではMVに対する免疫応答のアンバランスや低下がみられるが、他のウイルスに対する免疫機能には異常がみられず、一般的な免疫不全状態がSSPEの発症要因になっているわけではありません。
SSPEの発症に関わる遺伝的要因としては、これまでに、インターロイキン4(IL-4)遺伝子とMxA遺伝子が報告されています。IL-4は、ヘルパーT細胞の機能を抗体産生優位の方向(Th2)に傾けるサイトカインであり、SSPE患者では、IL-4の遺伝子多型の中でIL-4産生が多いタイプを持つ割合が多いことが明らかになっています。このタイプでは免疫応答がMVを排除する方向(Th1)ではなく、MVに対する抗体の産生を促す方向に傾きやすく、その結果、MVの持続感染がおこりやすくなるのではないかと考えられています。MxAは、ウイルス感染に反応して産生されるインターフェロンによって誘導される蛋白質で、細胞内でのウイルスの増殖を抑える機能を持ちます。SSPE患者では、MxAの遺伝子多型の中でMxA産生が多いタイプを持つ割合が多いことが明らかになっています。MxAの産生が多いと、特に中枢神経系でのMVの増殖が抑えられる結果、MVに感染した神経細胞が免疫系から認識されにくくなり、脳内でのMVの持続感染をおこりやすくするものと考えられます。一方、MVが細胞に感染する時に結合するMVウイルス受容体の一つCD46については、遺伝子多型とSSPE発症との関連は認められていません。
SSPEの発症メカニズムの解明は、SSPEの発症リスクの予測、SSPEの新しい治療法の開発などに結びつくものと期待されます。

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e 介護、支援

SSPEの診断は1期あるいは2期の初期につけられることが多いようです。診断後直ちに治療スケジュールを確立し、治療を継続することが大切です。症状が安定したら、出来るだけ早期に在宅介護にもっていくことが推奨されます。3期では不随意運動、筋硬直、経口摂取困難、自律神経症状(発汗過多、口内分泌亢進、高体温など)などが著明となり、これらに対する介護が主体になってきます。4期では筋強直、栄養、褥創、呼吸などの管理が重要となります。
また、「SSPE青空の会」という親の会がSSPEに関する医学的情報の収集、親同士の情報交換、交流、勉強会、社会への啓蒙などさまざま活動をしているので、QOLの向上に役立つと思われます。
利用可能な福祉サービスを以下に示します。ただし、居住する自治体によって窓口、補助の内容が異なるので、自分の住んでいる自治体で確認する必要があります。また、年度によって制度やその内容が改正されることがあるので、留意しておく必要があります。

1. 医療費の助成制度(保険医療の自己負担分を助成)

(難病)特定疾患 SSPEは(難病)特定疾患に指定されている。入院費、通院費の助成。
窓口:都道府県(保健所)
小児慢性特定疾患 SSPEは小児慢性特定疾患に指定されている。
原則20歳未満。入院費、通院費の助成。
窓口:都道府県・政令市・中核市(保健所)
乳幼児医療費の助成 各自治体が定める特定の年齢(一般的には0歳から4歳が多い)に達するまでの乳幼児が対象。
窓口:市町村
更生医療の給付 18歳以上で身体障害者手帳をもっている方。
窓口:市町村
育成医療の給付 身体に障害がある方。
窓口:都道府県(保健所)
重度障害者医療費の給付 1・2級の身体障害者手帳、療育手帳の重度を所持する方。
窓口:市町村

2. 手当て、年金等

特別児童扶養手当 20歳未満の障害児を療育している保護者。
障害の程度により支給額は異なる
窓口:市町村
障害児福祉手当 20歳未満の重度障害児。所得制限あり。
窓口:市町村
特別障害者手当 20歳以上の重度障害者で、日常生活に常時介護を
必要とする方。所得による制限がある。
窓口:市町村
障害基礎年金 国民年金の被保険者が一定の障害を負った場合には、申請により障害基礎年金の給付を受けることが出来る。
なお、20歳前で障害と認定された場合には、20歳に達したときに申請を行えば障害基礎年金の給付を受けることができる。
窓口:市町村/社会保険事務所
日常生活用具、装具等 市町村が窓口
1)日常生活用具の給付、貸与
2)補装具の交付と修理
4. 在宅サービス(支援費制度) 市町村などが窓口
1)ホームヘルパーの派遣
2)緊急一時入所
3)一時入所
4)重度重複障害者ディサービス

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f SSPE青空の会
http://sspe-aozora.hp.infoseek.co.jp/

SSPE患者の親の会は、1984年、大阪と東京で別々に結成された2つの親の会が一緒になったのが現在のSSPE青空の会です。国立小児病院や病院のスタッフの方々からは、結成にあたり様々な所で関わっていただきました。患児家族である正会員と、会の趣旨に賛同してサポートしてくれる医師、看護師、教師、ケースワーカー等の賛助会員とで構成されており、SSPEとたたかう子供達とその家族が、最良の治療を受け、健全な家庭生活を送るべく、お互いに協力しあうことを目的としています。「Sing, Smile, Play & Express」の合言葉のもとに活動しています。

1)総会・機関誌

会の活動は毎年11月に開く総会と、機関誌「あおぞら」の発行からスタートしました。「あおぞら」には療育情報、医師の寄稿、親の思い等が集められています。すでに150号が発行されています。

2)保険薬認可

1985年、症状の軽減に効果が期待されていたイソプリノシンの輸入停止問題が起きたときは、会として厚生省と話し合い供給は再開されました。これをきっかけにイソプリノシンの保険薬指定のための活動が始まり、1988年に保険薬として認可されました。その後イソプリノシンとの併用により効果が期待されるインターフェロンが、治験薬としての有効性の確認の後、1999年3月に保険薬の認可を受けることができました。インターフェロンを使用することで、食事や歩行、会話ができるようになったり、といった症状が大幅に軽減する例もみられるようになりました。この保健薬の認可については、SSPE青空の会が関係者と何度も話し合い、役所への陳情など、様々な活動を行ってきました。

3)難病指定

1988年から1989年にかけて、小児慢性特定疾患の指定を受けられるように求める運動を始めました。3回の署名運動を行い、延べ18万人の署名を集めました。同時に厚生大臣や官房長官への陳情を行った結果、1990年に他の病気も含めた「神経・筋疾患群」として指定を得ることができました。また1998年12月には41番目の特定疾患としての指定も受けました。
治療薬の保険薬認可、難病指定等により、療育に於ける家族の経済的な負担は大きく軽減されました。

4)患者実態報告書

平成2年には、1年以上をかけてまとめた「SSPE患者実態報告書」を刊行しました。これには、患者数などの現状の他、親が訴える療育上の経済的・心理的な問題、そして発症のメカニズム、治療、予防、教育、社会など様々な専門家が論文を寄せた基礎資料となっています。また平成12年には「第2回SSPE患者実態報告書」を刊行し、10年前の結果との比較をはじめ、この10年間にSSPE患児を取り巻く医療、教育、福祉の変化等を各方面から検討しています。

5)キャンプ

1986年7月、静岡県湯が島温泉で始めてのサマーキャンプを実施しました。今ではすっかり定着し、、関東周辺の各地で毎夏2泊3日の日程で開催されています。このキャンプは患児とその家族を中心として、主治医、養護教師、指導員、ケースワーカー、ボランティア等、様々な方々の協力によって開かれています。キャンプで外出の機会が増え、患児の兄弟達の絆も深まり、家族同様に付き合いをしている姿も見受けられます。また父親同士、母親同士が思いを語り合う貴重な機会でもあり、専門家に直接質問をする、またとないチャンスでもあります。

6)研究班との連携

SSPEのような難病には、医療との連携が欠かせません。幸い、設立当初から国の「遅発性ウィルス感染調査研究班会議」、「プリオン病ならびに遅発性ウィルス感染調査研究班会議」の協力、連携を得て、難病指定や実態調査等の成果を挙げてきています。

7)電話相談

また発病間もない患者家族の方へのサポートも重要な活動です。発病直後の患者やその家族は想像もつかないようなストレスに見舞われます。そのときに経験者からのアドバイスは何物にも替えられないものです。

8)願い

青空の会の願いは,SSPEの治療法の確立です。そのための働きかけの他、医療、教育、福祉の総合的な制度の拡充、発生予防のためのワクチンの接種率の向上などを訴えています。近年、予防接種のおかげか、はしかの発症が減少しているニュースが報じられています。はしかが撲滅されて、SSPEの発症が限りなくゼロに近づくことを望んでいます。

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