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国内外ネットワークとの連携

GLOBAL BIOIMAGING, Exchange of Experienceに参加して

上野直人(基礎生物学研究所)

2016年6月8日から10日までの3日間、ドイツ・ハイデルベルグのEuropean Molecular Biology Laboratory(EMBL)にて国際的なバイオイメージングネットワークGLOBAL IMAGINGのExchange of Experience (実績・経験に基づく意見交換のための会議)に出席した。

プログラムオーガナイザー

EuroBioImaging コーディネーター: Jan Ellenberg (EMBL)
日本からの参加者: 上野直人(自然科学研究機構基礎生物学研究所)
島貫瑞樹(沖縄科学技術大学院大学)
大浪修一(理化学研究所生命システム研究センター)
日本以外からの主だった参加者: Dr. Jan Ellenberg(EMBL, Germany)
Dr. Rainer Pepperkok(EMBL, Germany)
Dr. Teng-leong Chew(Janelia Research Campus of HHMI, USA)
Dr. Pavel Hozak (Institute of Molecular Genetics Prague, Czech Republic)

参加記


EMBLの会議場ATC前で(大浪氏、島貫氏)

欧州バイオイメージングネットワーク(EuroBioImaging)は欧州を中心としたバイオイメージング関連施設のネットワークで、平成27年度に予算化され、28年後から本格的な活動を開始しました。同活動を欧州からさらに米国、インド、オーストラリア、アルゼンチン、日本などを含む世界的なネットワークへと拡大するために6月8−10日にドイツ、ハイデルベルグにおいて、“GLOBAL BIOIMAGING - Exchange of Experience I” Workshopが開催されました。日本では、基礎生物学研究所が中心となり、主に光学顕微鏡施設の国内ネットワーク化に向けた意見交換会などを行ってきたことや、自然科学研究機構とEMBLとの間で国際連携協定に基づく国際連携を10年以上にわたって継続していることから、本グローバルネットワークの日本の代表として、同ワークショップへ参加することとなりました。日本のバイオイメージングネットワークの現況について紹介するとともに、今後の国際連携について協議することが大きな目的です。また、日本から先端バイオイメージング支援プラットフォームの総括班員である大浪修一先生(理研)には、大規模・大容量イメージデータからのデータマイニングを含むバイオイメージインフォマティクスの現況と将来の方向性および研究者間のイメージデータ共有システムについて、そしてトレーニングコース担当の連携研究者である島貫瑞樹先生(沖縄科学技術大学院大学)には先端バイオイメージング支援事業におけるトレーニングコースの効果的な運営と国際化について、それぞれ情報収集の目的で参加いただきました。同ワークショップはハイデルベルグ郊外の小高い場所にあるEMBL本拠地の会議場(Advanced Technology Center, ATC)で開催されました。


Jan Ellenbergによる開会の挨拶

8日はオーガナイザーのJan Ellenberg(EMBL, Germany)の挨拶の後、EuroBioImagingのプログラムコーディネーターJohn Eriksson(ÅBO Akademi, Finland)より会議の趣旨説明があり、その後、米国Janelia Research Campus (米国ハワードヒューズ医学研究所)のTeng-Leong Chewより、同研究所先端イメージング施設(Advanced Imaging Center, AIC)の取り組みについて紹介がありました。外部研究者の共同研究申し込みに応じて科学的価値の高い提案を審査によって選考し、滞在費を支給して行う共同研究で、目的は「先端バイオイメージング支援プラットフォーム」に通ずるものです。AICの先端顕微鏡ラインナップの豊富さ、支援の手厚さは大変印象的でした。今後ともAICとは情報交換の必要性があると強く感じました。また、Jan EllenbergからはEuroBioimagingネットワークの紹介、GLOBAL BIOIMAGING(GBI)の準備状況の報告がありました。その後、グローバルネットワーク構築の意義についてMiles Apperley(オーストラリア)から、欧州の各種大規模データベースの情報を集約するネットワークELIXIRの現状と他の各種データベースとの連携についてJanet Thornton (EBI, UK)から紹介と報告がなされました。セッションの最後にはグローバルネットワーク構築における今後の進め方について、Antje Keppler(EMBL)から計画の提示があり、同日の会議が締めくくられました。

翌日9日午前中はブレークアウトセッションとして、セッションI「イメージング施設スタッフのトレーニング」(座長:Rainer Pepperkok)とセッションII「イメージデータの管理」(座長:Jason Swedlow)が並行して進められました。午後にはそれぞれのセッションの総括が述べられ、今後のトレーニング、イメージデータ管理(Image data management)に関する国際ネットワーク形成に向けた具体的方策について意見交換を行いました。その後のパネルディスカッションではすでにGBIに参加しているインド、オーストラリアの他、今後参加する可能性がある日本、アルゼンチン、南アフリカなど各国の国内ネットワークの現状報告と、各国ネットワークがGBIに期待することなどについて紹介し、最後に議論を総括して2日目の幕を閉じました。

10日はイメージデータ管理とスタッフマネージャ(施設管理者)、テクニカルスタッフの教育プログラム(トレーニングコースなど)とイメージデータ管理に関するセッションが並行して進められ、私が出席したイメージデータ管理のセッションでは、20人ほどの各国の画像解析担当者が車座になり、今秋インド(National Center for Biological Science)で開催する画像解析トレーニングコースでの講義内容の重要項目をリストアップし、また受講生にどのような流れで習得させるのが効果的であるかについて熱のこもった議論を行いました。

この3日間に渡る会議は国際的なバイオイメージングコミュニティーの現状や将来のグローバルネットワークの展望を知る重要な会議で、これをきっかけに「先端バイオイメージング支援プラットフォーム」をGBIのメンバーに位置付けることが必須であると感じた会議でした。


バイオイメージングネットワークの各国代表と

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